コーラ白書
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自分たちの手でコーラを作る。これはコーラ白書の最終目標のひとつである。しかしその実現には配合やロット、予算等多くの問題を乗り越えねばならず、弱小ウェブサイト運営者にはいささか敷居が高い。

しかし、自宅でコーラを作れてしまうキットがアメリカで販売されているというのだ。その名も「Caveman Cola」。原始人のコーラであれば、きっと我々にでも作れてしまうに違いない。

これはやってみるしかないと、早速海外通販で購入。商品代金の2倍もの送料を支払って入手したのは、コーラ色の原始人(?)が描かれた小さな箱であった。

 

自作コーラキット「Caveman Cola」の内容は以下の通り。

コーラ原液
1本
乾燥イースト
1袋
漏斗
1個
ラベル用シール
2枚
説明書
1冊

拍子抜けするほどのシンプルな構成だ。この他に砂糖や水、容器(空のペットボトル)などは自前で用意する必要がある。

こーらの命であるカーボネーション(炭酸化)は、イーストの発酵を利用するらしい(註1)。要するにビールと同じ手法である。でもそれってアルコールも発生するような気が・・・

台所に必要なものを並べ、エプロンを装備したら準備完了。頭の中で某3分間クッキングのテーマが流れる。

説明書によると、まずポットに水1ガロンをいれ、98度まで加熱するとある。つまり3.78リットルのコーラが出来上がるということだ。パスタ用の胴長鍋を火にかけ、沸騰を待ちながら説明書をよく読むと

「温度計がない場合は、指を入れてぬるいくらいを目安にしてください」

とある。

さすがアメリカ人。熱湯ですら生ぬるいのかっ!

と一瞬思ったが、よく考えると本品はアメリカ製品。温度の表記はすべて華氏度なのだ。まさかの単位系トリックにひっかかるところだったぜ。

次のステップはイーストの溶解。炭酸の強さが決める、このコーラの出来を左右する重要なプロセスだ。1/2カップの水にイーストを小さじ1/4を加え、あらかじめ溶かしておくとある。砂糖の小袋のような付属のイーストを開けると、中にはベージュの粉末が入っている。なんか鶏ガラスープの元みたい。

ボールに水を入れて粉末状のイーストを加えてみるが、完全に溶解せずケンダクした液体が出来上がった。こんな感じでイースト様がちゃんと働いてくださるのだろうか、ちょっと不安が残る。

 


 

Caveman Colaでは、砂糖の種類は製作側にゆだねられている。せっかく1ガロンもコーラを作るので、砂糖の種類を振って飲み比べてみることにした。今回選んだのは次の3種類。

? 上白糖
? 三温糖
? 黒糖

本当はコーンシロップや人工甘味料も試してみたいところだが、ショ糖でないとイースト様が食べてくれない(=炭酸が発生しない)ので今回は諦めた。

さきほど温めたお湯の半分を使って、上白糖バージョンのコーラを作成する。0.5ガロンのお湯に1カップの砂糖を投入するのだが、これが予想外に多い。実際に200mlの計量カップに砂糖を取ってみると、コーラの糖分の多さを目の当たりにして非常にブルーになる。

砂糖を溶かしたら、こんどはコーラ原液の登場だ。「HOMEBREW OLD FASHION RECIPE」とかかれた小さなPPボトルには、真っ黒な液体が入っている。製造元はRAINBOW FLAVORE INCという米国の香料メーカーで、開けるとコーラの香りが広がる。コカ・コーラの原液もこんな感じなのかなと想像が膨らむ。

これをお湯に加えると、ぱっと広がってあのコーラ色の液体が出来上がる。ここにイーストを加えると作業は終了。三温糖、黒糖でも同じ作業をして、それぞれを付属の漏斗で空のペットボトルに移し変える。

あとはペットボトルの蓋をきつく閉めて、常温で放置するとイーストがコーラに炭酸を加えてくれるという寸法だ。見たところ泡が出ている様子はないけど、大丈夫かな・・・

⇒ 後編に続く

(註1)一般的にコーラなどの炭酸飲料は外部から炭酸ガスを吹き込んで炭酸化する